ニューズレター
商標権侵害の渉外事件について台湾の法律が適用されるとは限らない
台湾において発生した商標またはその他の知的財産権に対する侵害行為に関わる民事損害賠償には、原則として台湾の商標法若しくはその他の関係法令が適用されるが、商標権者またはその他の知的財産権者、若しくは権利侵害者が外国法人または外国自然人である場合、台湾の関係法令が当然のように適用されるわけではない。最高裁判所2005年度台上字第1416号民事判決は、商標権者が外国法人であり権利侵害者が台湾の会社である商標権侵害損害賠償事件について、「本件商標権者は外国法人であるため、本件は渉外民事事件に属し、原審判決は『渉外民事法律適用法』の規定によりその準拠法と確定せずに、台湾の法律によって判決を下したが、かかる判決は法令違反である」と判示し、原審判決を棄却した。
しかしながら、注目に値するのは渉外民事法律適用法第9条には「権利侵害行為によって発生した債は、その行為が行われた国の法律に従う」と規定されている点である。上記の案件について言えば、渉外民事法律適用法を適用しても、準拠法は依然として台湾の法律となる。