ニューズレター
特許審査時における出願人に対する手続き保障
アメリカ企業デュポン社(中国語名は「杜邦公司」)は、最近、経済部智慧財産局に提出した特許行政訴訟において勝訴判決を獲得し、智慧財産局が2年半前に行った同社に対する特許出願却下処分を逆転することに成功した。
台北高等行政裁判所は、先日、2005年度訴字第618号判決を作成し、智慧財産局が原処分作成時に専利法第40条第2項に規定される先行通知義務及び同法第44条に規定される説明義務に違反したことを理由に、同局がデュポン社に対して行った「特許を与えない」旨の行政処分を取り消した。台北高等行政裁判所は判決において、「智慧財産局は『特許を与えない』旨の決定を作成する前、専利法が求める説明義務を果たさずに、面談を行い案件の事情を明確にするよう通知しており、且つ、同局が当該特許出願を却下した技術上の理由も、最終的な『特許拒絶査定書』において初めて提出しており、事前にデュポン社に十分に知らされておらず、その結果、デュポン社は適切な時機に説明又は補充修正を行うことができず、これはデュポン社の手続き上における権益に損害を与えている」と指摘している。また、智慧財産局がその「特許拒絶査定書」において理由を述べた際には、デュポン社の特許出願に係る明細書が専利法の「明細書に十分開示」する旨の要求に合致していないことを根拠としていたにもかかわらず、結論においては、これと無関係の「産業上の利用性」規定を併せて引用したことに対し、裁判所も疑義を示している。前記判決書の最後で、裁判所はさらに「項目ごとの審査」を再度明確に説明し、智慧財産局に注意を促した。
台北高等行政裁判所のこの判決は、当事人の手続きの保障及び特許審査の質の向上に、プラスとなるだろう。