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《企業所得税法》における課税優遇



中国の全国人民代表大会(以下「全人大」)は2007年3月16日に《企業所得税法》を可決し、同法は来年(2008年)1月1日から施行される。同法施行後、外国投資企業が企業所得税面で享受していた特別優遇措置は段階的に廃止され、現行の国内資本企業所得税と国外資本企業所得税の2本立て法制が変わることになる。今回の《企業所得税法》が提出される前、一部の外国投資企業は企業所得税面で超国民待遇を享受していた。外国投資企業に対し、中国は30%の税率を基礎に、異なる地区及び業種に応じて、24%、15%又は10%の優遇税率を適用し、さらには企業の類型に基づいて、利益計上初年度から、一定の税收減免期間を与えた。具体的には「1免2減半」(1年間は企業所得税が免除され、その後2年間は半減される)、「2免3減半」、「2免6減半」及び「5免5減半」等、様々な優遇が含まれる。このほか、外国投資企業の中国国内への再投資に対しては、一定比率で税金を返還する優遇措置を与えていた。これに対して、多くの内資企業には類似する優遇措置はなく、30%の企業所得税を負担しなければならなかった。《企業所得税法》は、産業別の奨励を主に、地域別の優遇でこれを補う税収優遇措置体系を新たに採用している。

税收優遇の具体的措置には、以下の各号が含まれる。

1.税收減免優遇:例えば小規模零細企業及び国家が重点的に支援する必要のある新ハイテク企業に対しては、より低い税率で企業所得税を徴収する。企業が農業、林業、牧畜業、漁業事業に従事して得た所得、国家が重点的に支援する公共インフラ整備事業の投資経営で得た所得、条件に合致する環境保護、省エネ・節水事業に従事して得た所得、及び条件に合致する技術移転によって得た所得に対しては所得税を減額又は免除する。

2.課税所得額相殺優遇:例えば、ベンチャー投資企業が国家の重点的に支援又は奨励する創業投資に従事する場合、その投資額の一定比率で課税所得額を相殺することができる。

3.納税額相殺優遇:例えば、企業が環境保護、省エネ・節水、安全生産or産業安全等に用いる専用設備に投資する投資額について、一定の比率で税額を相殺することができる。

4.課税所得額の割増控除優遇:例えば、企業が新技術、新製品、新工程を開発する際に発生した研究開発費用、並びに障害者及び国家の奨励するその他就業者を雇用配置して支払った給与については、課税所得額を計算する際に割増控除することができる。

5.収入の割引優遇:例えば、企業が資源を総合利用し、国家産業政策規定に合致する製品を生産して得た收入について、課税所得額を計算する際に収入から差し引くことができる。

6.減価償却期間短縮又は加速償却優遇:例えば、技術進歩等の理由により、企業の固定資産を加速償却する必要がある場合、減価償却年数を短縮又は加速減価する方法を採用することができる。

7.民族自治地区は減免優遇措置をそのまま据え置く:例えば、民族自治地区の自治体は、該民族自治地区の企業が納付しなければならない企業所得税中の地方が享受する部分に対し、減額徴収又は徴収免除を決定することができる。

中国への投資金額が日増しに増加し且つ規模が拡大している台湾企業や外国企業にとって、これまで内資企業と外資企業の2本立てで運営されてきた企業所得税制の統合が囁かれはじめてずいぶん経っており、このたびの《企業所得税法》可決はさほど驚くべきことではない。台湾企業及び外国企業が関心を払っている問題は、新旧税制の移行期間及び移行期間に実施される経過措置である。

《企業所得税法》第57条の規定に依れば、同法公布前に既に設立され且つ原関連法律、行政法規に基づいて優遇措置を受けていた外国投資企業は、中国国務院の規定に照らして、2008年1月1日から2012年12月31日までの5年内に、徐々に《企業所得税法》規定の税率に移行することができる。期間を定めて税金減免優遇措置を受けていた外国投資企業については、中国国務院の規定に照らして、本法施行後2008年1月1日以降も引き続き、減免期間が満了するまで優遇措置を受けることができる。但し、注意しなければならないのは、外国投資企業が2008年にまだ利益を計上していなくても、それが享受する税收減免期間は2008年度から計算されるということである。

《企業所得税法》は税收優遇の種類、適用条件に対し原則を打ち出しているものの、そのうちの数多くの細かい部分については依然として明確にしていない。例えば、同法における小型零細企業、国家が重点的に支援する必要のある新ハイテク企業についての認定基準、及び、課税所得額相殺優遇、納税額相殺優遇における相殺比率、及び、課税所得額の割増控除優遇、収入の割引優遇における割増、割引の計算方法等の問題は全て明確に規定されていない。以上に述べた問題は全て、中国国務院において関連行政法規が可決されてから明確にされる。《企業所得税法》は来年施行されるため、今後数ヶ月内に、中国国務院は《企業所得税法》関連行政法規を次々と出してくるものと思われる。例えば、中国国務院は今年10月に企業所得税法実施条例を公布するとのことであり、当該条例公布の暁には、現時点では甚だ不明確な《企業所得税法》における数多くの問題に具体的又は明確な解釈が提供されるに違いない。当該条例の内容については、本誌にて改めて報告する。
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