ニューズレター
錢櫃と好楽迪が「公平交易法」違反で再度処罰される
行政院公平交易委員会(「公正取引委員会」。以下「FTC or公平会」)は2010年3月24日の第959次委員会議において、錢櫃企業股份有限公司(Cashbox Party World Karaoke Parlors、以下「錢櫃」)と好楽迪股份有限公司(Holiday Group Co. Ltd. 以下「好楽迪」)は恒常的に共同経営を行っており、且つ錢櫃は直接又は間接的に好楽迪の業務運営及び人事をコントロールしており、FTCに対して結合を申請すべきであるにもかかわらず申請しておらず、『公平交易法』第11条第1項の規定に違反するとして、当該社に対して違法行為の停止及び改正を命じたほか、錢櫃と好楽迪に対しそれぞれ300万台湾元及び150万台湾元の罰金を科す旨の決議を行った。 |
FTCは、「錢櫃と好楽迪は以前FTCに結合を申請したことがあり、好楽迪が錢櫃を吸収合併する予定であったが、当該案はFTCによる審査の結果、結合による競争制限の不利益が全体的な経済利益よりも大きいと判断され、当該2社の結合は禁止された。しかし、その後も錢櫃と好楽迪は違法結合を継続して何度も摘発されている。調査の結果、当該2社は、共同投資した錢育股份有限公司及び錢聲科技股份有限公司を通じて、恒常的にカスタマーサービスセンター及びコンピュータなどオーディオ・ビデオ情報業務を共同運営し、また、好楽迪はその林森北路店のKTV業務の運営を契約により錢櫃に委任しており、また、好楽迪の『董事長』(取締役社長)のオフィスも錢櫃から賃借したものであることが判明した。かかる行為はいずれも恒常的に共同で実質的に経営する行為に属し、『公平交易法』第6条第1項第4号の『恒常的に他の事業者と共同経営をする場合』という結合態様に合致する」と示した。 |
また、2007年6月13日に好楽迪が新たに取締役を改選した際に、錢櫃は子会社を通じて好楽迪の取締役のポスト1つと監査役のポスト2つを獲得し、取締役である顔瓊章氏が好楽迪の「董事長」を兼任し、また、「董事長」であるモーリシャス企業Absolute Perfect Co., Ltd.の法人代表である練台生氏が、好楽迪の取締役である中都国際股份有限公司をコントロールしており、好楽迪の全5名の取締役のうち3名を、且つ3名の監査役のうち2名を直接又は間接的にコントロールしており、さらに、派遣された取締役の代表である李豪殷氏が好楽迪のCEOを兼任している。錢櫃は好楽迪の業務運営及び人事を実質的にコントロールすることができ、『公平交易法』第6条第1項第5号にいう「直接又は間接的に他の事業者の経営又は人事をコントロールする場合」という結合態様に合致する。 |
以上をまとめると、錢櫃及び好楽迪はFTCに対して結合を申請すべきであるにもかかわらず、申請を提出しておらず、これは『公平交易法』第11条第1項の規定に違反しており、FTCは各項の要素を斟酌した上で、『公平交易法』第13条第1項の規定により、2社に対して3ヶ月以内に継続中の共同経営行為を停止し、且つ関連人員が双方の会社の取締役、監査役及びCEOに同時に就いている状態を排除することによって実質的な支配状態をなくすよう命じるとともに、『公平交易法』第40条の規定により錢櫃と好楽迪にそれぞれ300万台湾元及び150万台湾元の罰金を科した。 |