ニューズレター
著作権法を改正し、視聴覚障害者による著作物の合理的使用範囲を拡大
立法院は2014年1月7日に「著作権法」改正草案を可決し、視聴覚障害者による著作物の合理的使用についての規定を拡大した。この改正案は同年1月22日に公布、施行された。
著作権法第53条は心身障害者による著作物の合理的使用に関する規定であり、もともと特定の種類の心身障害を列挙し、これらの心身障害者のみが特定の方式で、既に公開発表されている著作物をバリアフリー版として複製し、ならびにこれを利用することができる、と記されていた。しかし、今回の改正では、WIPOの「盲人、視覚障害者及び読字障碍者の出版物へのアクセス推進のためのマラケシュ条約」(「The Marrakesh Treaty to Facilitate Access to Published Works for Persons who are Blind, Visually Impaired, or otherwise Print Disabled」)第4条規定の主旨を参酌し、バリアフリー版を複製できるケースに、政府機関又は非営利機構団体、及び、視覚障害者個人及びその代理人が、専ら当該視覚障害者個人の非営利的使用に供する場合が含まれる旨明記され、かつ、当該バリアフリー版は当該これらの利用主体間で流通可能であり、その流通方式は限定されない旨が明確に規定されている。
著作権法第80-2条は科学技術の保護措置に関する規定であり、著作権者が科学技術的保護措置を採用してその著作物を保護するとき、それに追加の保護を与えることで、著作権者が採用する科学技術的保護措置が回避されないよう確保する。今回の改正では、WIPOの「盲人、視覚障害者及び読字障碍者の出版物へのアクセス推進のためのマラケシュ条約」(「The Marrakesh Treaty to Facilitate Access to Published Works for Persons who are Blind, Visually Impaired, or otherwise Print Disabled」)第7条規定の主旨を参酌し、著作権法第80-2条第3項第9号に除外規定を新たに設けた。即ち、著作権法の合理使用に関する規定により他人の著作物を利用するとき、前記の科学技術的保護措置に係る規定を適用しないことで、視覚障害者がバリアフリー版にアクセスする権利を確実に保障する。