ニューズレター
OA応答期間延長後の最終期限の計算方式
台湾の現行の実務によれば、経済部智慧財産局(※台湾の知的財産主務官庁。日本の特許庁に相当。以下、「智慧局」という)が発明特許又は意匠登録に係る出願について「審査意見通知書」(即ち「Office Action」。以下、「OA」という)を送付するとき、通常、一定の答弁期間を指定する。台湾国籍の発明特許又は意匠登録出願人は通知書を受領した日の翌日から2ヶ月以内に、外国の出願人は通知書を受領した日の翌日から3ヶ月以内に応答又は補正を提出しなければならない。もし出願人が指定された期間内に応答又は補正を提出することができないのであれば、智慧局に対し1回の延長を申請することができるが、延長が認められる期間も出願人の国籍によって異なり、台湾国籍の出願人は2ヶ月、外国籍の出願人は3ヶ月延長することができる。
しかし、実務上、延長後の最終期限がいったいいつなのか、しばしば計算結果が異なるため、出願人及びその代理人の案件管理に影響を及ぼしており、若干の疑義を生じている。異なる計算結果をもたらす要素には、以下のものが含まれる。
l 期間延長の起算点が異なる
前述のように、出願人が智慧局に延長を請求するとき、智慧局はその国籍により2ヶ月又は3ヶ月の延長期間を与える。実務上、智慧局は返信して延長後の新たな期限がいつであるかを知らせる。
しかし、調べたところ、該局は、専利出願人の提出した延長請求を、実際に受領した日から2ヶ月又は3ヶ月で計算して新たな期限を出したり、また、もともとの指定期限を起算日として、即ち、OAが出願人に送達された日の翌日から、原指定期間と延長期間を足して新たな期限を出したりもする(たとえば、台湾国籍の出願人であれば、新たな期限はOAが送達された日の翌日から起算して4ヶ月、外国籍の出願人であれば、OAが送達された日の翌日から起算して6ヶ月である)。
もし後者の方式を採用するのであれば、起算点が固定されているため、出願人は比較的容易に新たな期限を事前に予測し、管理することができる。しかし、もし前者の方式であれば、新たな期限は延長請求を提出した日次第で変動するため、出願人は最長期間を勝ち取るべく、原指定期間中に答弁を完了できないことが予めわかった時点で延長請求を前もって提出するのを避け、必然的に、なるべく遅く、原指定期間の末日まで延長請求の提出を引き延ばすことになる。
l 原指定期間の末日が休日(土・日・祝日)である場合
原指定期間の末日が休日(土・日・祝日)である場合、現行の実務では、その期限は休日(土・日・祝日)後の第一就業日に自動的に延長される。しかし、次のような情況において、延長を請求する場合、原期限が休日(土・日・祝日)により延長されるという優遇措置を依然として受けることができるのか否か? たとえば、ある外国籍の出願人が2014年6月6日にOAを受領し、応答期間が3ヶ月、即ち応答期限は2014年9月6日と指定されているとする。仮に、当該日がちょうど土曜日であれば、期限は自動的に延長され、2014年9月8日までに応答を提出すればよいわけであるが、もし、該出願人が延長を請求した場合、延長後の期間満了日は2014年12月6日であるのか、それとも2014年12月8日であるのか?
上記の問題について、智慧局は既に2014年8月21日に期限延長の計算方式の統一について公告している。延長後の新たな期限は、一律に、OAが出願人に送達された日の翌日から、台湾国籍の出願人については4ヶ月、外国籍の出願人については6ヶ月として計算する。もし、算出した新たな期限が休日(土・日・祝日)にあたるのであれば、休日(土・日・祝日)後の第一就業日に期限を延長し、応答又は補正を提出することができる。