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「ウェイバックマシン」(Wayback Machine)の検索結果の証明力



知的財産権に関する民事侵害訴訟では、争点となる侵害事実がサイバースペース上に存在することが一般的である。例えば、著作権侵害事件では、著作権法で保護されている他人の図形著作物を無断で公開されたウエブサイト上に掲載する行為がよく見られる。しかし、ウエブサイトのコンテンツは、ウエブマスターによっていつでも更新・変更される可能性があるため、現存するウエブサイトのコンテンツ侵害時のものと実際に一致するかどうかがしばしば争いとなる。これに対して、インターネット上には、過去のウエブサイトを遡って閲覧できる、いわゆる「ウェイバックマシン」(Wayback Machine)と呼ばれるツールがあり、当事者は、自分の主張する時点におけるウエブサイトのコンテンツを証明するために、これを利用して「現場を復元」することができる。しかし、「ウェイバックマシン」は民間開発の検索ツールであるため、その検索結果は裁判所が事実を認定する根拠として十分な信用性があるのかについては疑問が残る。知的財産及び商業裁判所は、112年(西暦2023年)度民著上易字第16号判決(判決日:2024328日)において肯定的な見解を示しており、その理由の要旨は以下のとおり。
 
1.          ウェイバックマシンは、非営利の民間団体による過去のウエブ サイト情報の検索システムであり、その設計がウエブサイト情報の更新の影響を受ける可能性はあるが、過去のウエブサイト情報の保存を設立の目的としているため、それが提示するウエブサイト上の情報は過去のウエブサイトの情報本体を示すのに十分である。情報本体に影響を与えないバター広告やフラッシュ情報については、たとえコンテンツが変わることはあっても、それらがキャプチャーした過去のウエブサイト情報がすべて虚偽であるとは断言しがたい。
 
2.          また、民間が開発したソフトウェアで特定の事項を検索し、得られた情報を判断の根拠とすることは珍しいことではない。例えば、グーグルの検索エンジンも民間団体が開発したものであるが、グーグルの検索エンジンで情報を検索し、得られた情報を司法実務上の判断根拠とする例は今も多い。したがって、前者のソフトウェアの検索で得られた情報がすべて採用できないのかについては一概に断定することはできない。検索の内容やプロセスが経験則や科学法則に反しなければ、採用できないことはない。
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