ニューズレター
労働部より改正版「業務請負及び労働者派遣に関する行政手引き」が公布される
労働部より改正版「業務請負及び労働者派遣に関する行政手引き」が公布される
2025年9月23日に、労働部(日本の厚生労働省に相当)より「業務請負及び労働者派遣に関する行政手引き」(中国語:勞務承攬及勞動派遣行政指引)の改正版が公布されました。今回の改正では、公的・民間部門は提携する請負業者及び派遣先事業者に対し、災害発生時に出勤する労働者への通勤支援に関して責任を負うこと、及び職場におけるいじめ・パワハラ防止および不法侵害防止に関する規定を遵守することが要求されました。
以下、今回の改正の重要なポイントをご紹介します。
一、災害発生時の労働者の通勤支援に関する責任
政府機関が業務請負を合理的に活用し、派遣元事業主および派遣先事業所が労働法令を確実に遵守することで、派遣(駐在)労働者の権益を確保するため、労働部はすでに「政府機関等における業務請負活用に関する参考原則」(中国語:政府機關(構)運用勞務承攬參考原則)、「労働者派遣権益指導原則」(中国語:勞動派遣權益指導原則)、「労働派者遣期間労働契約雛形」(中国語:勞動派遣期間勞動契約範本)および「派遣先事業所と派遣元事業主間の派遣契約参考雛形」(中国語:要派單位與派遣事業單位要派契約參考範本)等の行政手引きをそれぞれ定め、各方面に遵守を求めています。また、これらの指針は継続的に見直し・改正が行われ、内容の一層の充実が図られています。
2025年9月19日に改正・公布された「自然災害発生時の事業所における労働者の出勤管理および賃金支給要点」(中国語:天然災害發生事業單位勞工出勤管理及工資給付要點)では、雇用主が台風等の際に従業員を出勤させる必要がある場合、通勤支援を提供すべきことが明記されました。
そして、今回の「業務請負及び労働者派遣に関する行政手引き」改正のポイントは、上記の点が、公的・民間部門が派遣労働者や請負駐在労働者を活用する際の権益保障事項に組み入れられた点にあります。
即ち、公的・民間部門は、提携する請負業者および派遣先事業所が台風等の自然災害期間中に労働者を出勤させる場合、労働者が従来の通勤手段で出退勤することが困難であり、タクシー利用が必要なときには、当該業者がその費用を負担するよう督促および要請しなければなりません。これにより当該労働者の労働安全を保障することが求められています。
なお、近年の台風の頻発に鑑み、派遣(駐在)労働者の雇用主は自然災害期間中において一層労働者の安全に留意すべきであるとともに、共同作業場所の事業主も同様に派遣(駐在)労働者の労働安全に配慮し、提携業者に対して労働部が公布した関連行政指針を遵守するよう求め、労働者の出退勤時の安全確保について共に責任を負うべきであることも改めて喚起されています。
二、職場におけるいじめ・パワハラ及び不法侵害の防止義務
さらに今回の改正において、社会的関心が高まっている職場いじめ・パワハラの問題についても、新たに規定が追加されました。
派遣先事業所は積極的に職場におけるいじめ・パワハラ防止および不法侵害防止等の措置を講じること、職場いじめ・パワハラおよび不法侵害案件の苦情申立窓口を設置すること、また、これらの案件に対して適切な措置を講じ、派遣元事業主と共同で調査を行うこと等が明確に規定されました。
公的・民間部門が請負または派遣労働力を活用する際には、協力業者と共に責任を負い、派遣(駐在)労働者の職場における心身の健康および労働者の権益を確保することが求められています。
当事務所は「労働案件」のプラクティスチームを設けており、労使関連問題、労働事件の紛争処理等に関してサポートしております。関連法規、行政手引きについてご質問やサポートが必要なこと等ございましたら、いつでも当事務所の朱百強弁護士(marrosju@leeandli.com)、林莉慈弁護士(litzulin@leeandli.com)までお問い合わせいただければ幸いです。